1789年、フランスに革命が起こったんだ
バスティーユ広場で始まったその革命は、パリの西側にあるヴェルサイユまでその勢いは止まらなかった
パリの歴史は東から西へ進んでいった
革命も東から西へと民衆は進んでいった
そして、東の国から来たオレは、バスティーユ広場近辺にホテルをとり、常に西へ西へと向かって行動していた
そして今日、ついにヴェルサイユを目指すことになったんだ
前にチェックを入れておいたからスムーズに電車に乗れたよ
モネの絵にもなったサン・ラザール駅からヴェルサイユ行きのガラガラ電車が動きだした
ほとんど人の乗ってない電車は無口に走りつづけた
パリをぬけ郊外へ
しばらくすると一軒家が目立ってくる
しかも造りがお城っぽい家が…
いいなぁ
思わず、そう思ってしまった
そして、サン・ラザール駅を出発してからわずか30分後、電車はヴェルサイユ・リヴ・ゴージュ駅へ到着した
地図を持っていないオレは、看板だけを頼りに歩き始めた
途中、雨が降ったり道に迷ったりしたが、なんとかたどりついたようだ
この世界の宮殿の中で、一番有名なヴェルサイユ宮殿に…
ルイ14世の銀像が出迎えてくれた
さっそく中へ行った
そして歩いた
豪華絢爛というのを見てみよう
そう思いながら歩いた
オレの感想
ここは宮殿というよりも美術館のようだ
しかも絵だけじゃない
柱も壁もシャンデリアも、すべてが芸術作品である
ため息の連続である
マドリッド王宮もすごかったけど、ヴェルサイユ宮殿もすごい
さすがという感じがする
それから、とてつもなく広い庭を歩いてみた
とにかく広い
広いってもんじゃないね
宮殿がある丘の上街をながめてみた
民衆を感じた
ヴェルサイユの街は民衆の街である
下町である
街と宮殿のギャップがすごいある
それがまたいいのかもしれない
でも、それが原因で革命が起こったのかもしれない
本当街を歩いていて、そう思った
少しの間だけ首都の役割をしていたヴェルサイユ
今では静かに観光客を向かえている
その目はなぜか遠くのパリを見ているような気がしたのはオレだけだろうか
世界で一番豪華絢爛という言葉が似合う街ヴェルサイユ
本当は静かで民衆のにおいがする下町だった
これでオレのフランスの観光が完了した
すべての予定が終了した
マドリッドに別れを告げ
シャモニーに別れを告げ
ジュネーヴに別れを告げ
ヴェルサイユに別れを告げ
そして明日、オレはヨーロッパ最後の観光地パリに別れを告げるんだ
もう終わるんだ
オレのヨーロッパ留学が、ついに