もしもこの街が幻想の街だったら…
実はオレ、北海道あたりに誰かがマドリッドやパリをマネした街をつくった所にずっと住んでいたんだったりして
実はオレ、ずっと部屋で寝ているんだけど、マドリッドの生活もパリの生活も全部夢だったりして
実はオレが住んでいる所や今日や昨日歩いた道も全部幻だったりして
実はここは、パリじゃなくて違う所だったりして
実はオレ、もうこの世に存在してない人間だったりして
実は5月、飛行機に乗ったまま、ずっと空の上にいたんだったりして
実は、この世のすべてのものウソだったりして
ふと、今日そんなことを考えてしまったんだ
道を歩きながら、ルーブル美術館やオルセー美術館やセーヌ川を眺めながら、本当にここパリなんだろうかってね
5月、飛行機に乗って空に出た時、室内の画面に世界地図が出てたんだ
そして、飛行機の行くラインが出ていたんだ
あのラインなら、ちゃんとヨーロッパに行っていたけど、実はあの画面ウソでここはヨーロッパでもなんでもなかったりして
それに、マドリッドからパリに来た時、夜だったからまわりなんにも見えなかったからパリまでワープしたような感じだった
そういうのがあったから、今日こういうことを考えちゃったんだろうな
だから、オレが歩いてここから日本まで帰れば信じるんじゃないかな
オレはちゃんとヨーロッパにいたんだってことをよ
それと同時に世界は広いなぁって思うんだろうよ
今は便利になった
あんなに遠い、たぶん遠いだろう日本まで12時間ぐらいで到着しちゃうんだもの
世界が狭くなったなぁ
こう思ってしまうのも無理ないし、本当にここがヨーロッパなのかと疑ってしまうの無理ない
オレ、今度自分の足か馬に乗って、バイクかクルマで世界中まわってみようって考えがでてきているんだ
そうすれば、世界の広さを肌で感じられるんじゃないかな
だから猿岩石やドロンズなんかいい経験してると思う
うらやましい限りだね
だからオレは、地下鉄を使わずに歩いてるんだ
パリのデカさ
そして変わりゆく風景をながめながらね
そんな変てこな脳ミソを持って、オレが今日行ったところはアンヴァリッド
そう廃兵院である
ここにはあの、ナポレオンの墓があるということで行ってみたんだ
このヨーロッパの偉人の墓に行くのは、これで3人目である
マドリッドでゴヤの墓へ
そして、パリ・ペールラシェーズ墓地に眠るアメリカ人、ジム・モリソン
そしてナポレオン
さすがにお墓を見てしまうと、自然と心が静まりかえってしまう
それにしてもデカい墓だったな
ジックリ見ておいたよ
その後、オレは軍事博物館へ行ってみた
別に軍隊物好きじゃないけど、ナポレオンの肖像画でもあるんじゃないかなって思いとりあえず行ってみたんだ
結果、いろんな武器や軍服はクサるほどあったけど、肖像画らしいものはなかったよ
ナポレオン3世の肖像画はあったけど、オレが探していたのはナポレオン1世なのだ
ルパン3世だったら興味があるけどね
ナポレオンって本物の侵略者だったんだろうな
コロンブスもそうだ
今では2人とも英雄だ