寒い
本当に寒い
身も心も寒すぎるくらい寒い
肌身にしみる
冬風が身にしみる
そんな中、石井さんから手紙を届いた
9月にヨーロッパ入りしたいと書いてあったから、もういるとは思ってはいたけど
いろんな事情があってオレに手紙出すのが遅くなってしまったみたいだ
簡単に言ったらオレの住所録、家に忘れてきてしまったらしい
まぁ仕方のないことだ
しかも今、フランスにいるみたいだな
ディジョンとかいうところだ
ブルゴーニュ地方の首都みたいだ
オレ、パリ以外行く予定なかったけど、行ってみるかもしれんな
治安よさそうだし
何かいい刺激ありそうだから
ちょっと急いで連絡取り合わないといかんな
まぁ、オレがまだマドリッドにいてよかったよ
あと2週間も遅れてりゃこの手紙読めなかっただろうよ
まぁ早く手紙でもFAXでもだ出そう
そういえば今日、オエステ公園で絵を描いてたんだ
相変わらず孤独な男だ
でも、もういいのだ
今日どっかのテレビ局のニィーさん2人組が、なんかベラベラしゃべってたなあ
しかもテレビカメラ、オレの方映してやんの
まぁ別にいいけど
あぁ、たまに外で絵を描くのもいいね
ちょっと寒くて寂しいけど
フッと孤独の風が吹くんだ
そんな時なぜか泣きたくなるような心境になってしまうんだ
それを絵に描いて自分自身を自分の世界に入れてしまって、まぎらわすしかないんだ
悲しい男よ
オレは常に泣きそうなんだ
何かでまぎらわさねば
ツライ
生きることがツライ
悲しみが込みあげてくる
それに寒さが追い討ちをかける
オレはなんだ
なんにために生きているんだ
寒い
そしてさみしい