朱雀 -Red Bird-
F4号 33.3cm×24.2cm
アクリル
2020年作成
四神(しじん)とは、中国の神話に登場する天の四方の方角を司る4体の霊獣です。四神は、青龍(せいりゅう)、朱雀(すざく)、白虎(びゃっこ)、玄武(げんぶ)から成り、これは周天を4分割した四象に由来するとされています。
「朱雀」は、中国の伝統的な四神獣の一つで、南方を守護する神獣です。中国の伝統文化において、繁栄や幸福、成功などの象徴として重要な意味を持っています。
「朱雀」をテーマにした絵画は数多いですが、制作に取り組んだ2019年12月〜2020年1月は新型ウイルスが流行し始めた頃。
同時期に個展の開催があったため、作品をご覧いただいた方々に蔓延防止の祈願を込めて作成しました。
この「朱雀」は西洋美術における「構造線(Contour line)」を残しています。
通常ですと、構造線を使って「朱雀」の形を把握し、それを基にしてデッサンし彩色します。
今回は抽象的に、さらに構造線の線と線、線と曲線の交わった箇所に鑑賞者の目がいく性質があるため、交差部分に色彩を施しました。
骨組みを明確に示したまま、よりシンプルにし、「朱雀」として繁栄や幸福、成功などの願いを込めた作品となります。
※西洋美術の構造線
ピーテル・パウル・ルーベンス(1577年〜1640年)の作品全般や、フランシスコ・デ・ゴヤ(1746年~1823年)の「マドリード」(1808年制作)、パブロ・ピカソ(1881年〜1973年)の「ゲルニカ」(1937年制作)などの構造線はわかりやすく、さらに構造線の交差部分からメッセージを感じ取れます。
交差部分による鑑賞者の目線は、西洋絵画が横移動、浮世絵などの鑑賞者の目線は、上から下への縦移動の性質があります。
The “Vermilion Bird” is one of the four traditional Chinese divine beasts that protect the south.
In traditional Chinese culture, it has an important meaning as a symbol of prosperity, happiness, and success.
The work is simpler, with the framework clearly shown, and is intended to express wishes for prosperity, happiness, and success.