12月15日である
ついにこの日が来たんだ
そう、オレこの留学の最後の日が
オレは今、タルゴ特急寝台車
フランシスコ・デ・ゴヤ号の中にいるんだ
ベットの上に寝そべって日記をつけているんだが、なにしろ、ゆれてゆれて字が乱れてしょうがない
でも書こう
これもいい思い出だ
さて、昨晩の続きから
昨晩はタカシくんチに行ったんだ
初めて行ったよ
まぁ、タカシくんチっていうか、あの台湾人の社長のピソなんだけどよ
アニメビデオやCDがたらふくあったな
ハンパじゃない量だったよ
そこでタカシ君とモニカと3人でカレーライスを食べたんだ
そして、ビデオを見たりギターを弾いたり、キーボードを弾いたり
なんだかんだやっていたら、朝の6時になってしまった
酒こそ飲まなかったが、話をするにはいいもんだ
その後、3時間だけ寝てピソを出ることにしたんだ
そういえば、8時ごろ見た夕陽じゃなくて、朝日がキレイだったよ
真っ赤に空を染めて、熱く燃えるような太陽だったよ
このマドリッドで初めてみた
そう、最初で最後の朝日だったよ
それからタクシーでグラン・ビアへ
モニカが最初に降り、次にオレたちが降りた
また会おうを合言葉に2人と別れた
そして、部屋を片付けたオレは土屋さんチに向かったんだ
最後の昼食として、1973年もののワインを飲んだ
最後は特大ハンバーグだった
当然うまかった
時間に追われているオレはシホちゃんがいるカフェへ足を向けた
1時半ちょうどに行ったけど、いなかった
オレはカフェ・コン・レチェを飲みながら待つことにしたよ
そしたら従業員のニィーさんからシホちゃんの住所と電話番号を書いた紙をくれたんだ
少し感動したよ
感動したといえば、いま夜中の1時45分なんだが、どうやらスペインとフランスの国境にいるみたいなんだ
ビレネー山脈が見えたからきっとそうだろう
車輪も交換してるみたいだし
きっとそうだ
今、止まっているから今のうちにいっぱい書いておこう
さて、話をカフェの話に戻そうとするか
そう感動したんだ
それにしても、あそこの従業員たちはやさしい人たちだ
日本人好きっていうのもあるが、それ以上のものがある
素敵な人たちだ
そして、ちょうど今から12時間前ぐらいにシホちゃんが来たんだ
あの明るい笑顔を浮かべながら
オレも住所書いたの持ってきてたからすぐに渡したよ
お互い日本に帰っても実家にいないから意味がないかって言ってたけど
手紙書くからって言ったら喜んでたよ
いい子はやっぱいい
そんで、オレは店を出ることにしたんだ
そしたらカフェのニィーさんがボカディージョをくれたんだ
しかも、オレの大好きなトルティージャをはさんだボカディージョをよ
うれしかった
ありがとう
また感動だ
最後、シホちゃんと握手して店を後にしたんだ
忙しいオレは、日本料理店「うはら」へと足を向けていたよ
ザンゲの手紙を持って
到着
案の定、閉まってたよ
だから手紙をドアのすき間から入れ、うはらを後にしたよ
でも、うはらの前で困っていた観光客の道案内をしなくちゃいけない状況になってしまったため、早足には帰れなかったが、まぁいいってことよ